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■釈迦堂遺跡博物館改修工事 展示室改修■
工事監理・展示空間リニューアルと重要文化財展示家具の設計事例 博物館建設の由来となった、釈迦堂遺跡出土品5,599点(重要文化財)は日本遺産(星降る中部高地の縄文世界)の構成要素となっています。 築30年の釈迦堂遺跡博物館の全面改修工事にあたり、私たちの事務所では工事監理と展示空間・展示家具の設計を行いました。またユニバーサルデザインへの対応として外構アプローチの改修設計と監理を行いました。 展示空間の設計にあたっては「多数の土偶(1116個・重要文化財)を有する博物館であることを強調する」「テーマにより配置の変更ができるようにすべての家具を可動式としたい」「土偶・土器を上下左右多面的に見学できること」「身体的条件の異なる入館者でも等しく見学可能であること」などの要望が挙げられました。 学芸員との打ち合わせを重ね展示ケースはすべて私たちの事務所で設計し、地元の建具職人が製作しました。 建築設計と展示設計を一貫して行うことで家具の寸法調整が容易となり、デッドスペースを解消することで建物自体の増築を行わないまま展示空間の拡張を行いました。またテーマにより展示家具のレイアウト変更が可能となっています。 展示の主役である土偶・土器が際立つように室内全体の照度を落とし、それぞれの展示ケースに照明を組み込みました。配置変更に対応可能とするため床はOAフロアーとしています。 |
上:改修平面。 家具可動化・スロープ設置・展示スペース拡張(廊下を含む)中央右寄りの円は竪穴式住居。 |
左:改修平面。 固定家具撤去→可動式家具 床仕上げ撤去→2重床OAフロアー 壁仕上げ撤去→一部解体しスペースを拡張 天井仕上げ撤去→一部解体天井高確保 観賞用スロープ新設。 |
上:2階展示室全景。改修前の長尺シートの反射により展示が見難いとのことから、OAフロアー化に伴いタイルカーペットと仕上げ材を変更。また正面の壁を濃紺に仕上げることで奥行き感を演出しています。 |
上:2階展示室全景。ケース自体に照明を組み込むことで、天井面からのスポットライトの照明の照度を抑えています。 |
上左:2階展示室全景。 上右:2階展示室全景。 |
上:2階展示室・解説パネル前。2つ対の展示ケースは設計に先立ち試作していたものを採用。アクリル部分を脱着し展示物の交換を行う。左手の既存の分厚い壁に穴をあけて展示用のニッチを設けました。 |
上:展示ケース。アクリルケースの合わせ鏡効果で土偶の画像が虚実入り混じる。 |
上:展示ケース。上方からのスポットライト効果のためにアクリルケース内に有機ELの照明を組み込まました。 |
上:展示ケース・土器を作る縄文人像。リニューアル以前の展示室にも住んでした縄文一家。竪穴住居を断片化して展示台としています。男の子の足元にあるのは埋甕。発掘調査の際の出時の状態を再現しています。縄文住居の入り口付近にこのような形で埋め込まれていたとのこと。アクリルで囲まれた部分は土の中。 |
上:展示ケース。土偶を上下左右前後から観察することのできるケース。車いすで接近可能な形でかつ転倒防止となる形に台を変形させています。実物大のモックアップを作成し、車いすに座って見え方の確認を行っています。 |
上:展示ケース。導光板により面的に光る展示照明。 |
上:展示ケース。 |
上:スロープに沿った階段状の展示。土器の乗るケースはそれぞれセパレートし、レイアウトの変更が可能。土器の底を上からのぞきこむこともできる。 |
上:2階展示室。スロープ上から見る。展示品保護のためのアクリルは脱着可能。 |
上:2階展示室。スロープ上から見る。 |
上:スロープ。右手の壁はダクトスペース。ダクトを避けてニッチを設けた。背面を鏡張りとして土器の裏表を観察できる。 |
上:スロープに沿った階段状の展示。土器の林の中を通り抜けるイメージ。 |
上左:スロープに沿った階段状の展示。土器の並んでいる部分は改修以前は展示ケースと外壁との間のデッドスペース。 上右:展示ケース。 |
上左:スロープに沿った階段状の展示。 上右:スロープに沿った階段状の展示。 |
上左:スロープに沿った階段状の展示。 上右:スロープに沿った階段状の展示。 |
上:2階展望室。左手の窓からは甲府盆地と盆地を囲む山々が見える。 |
上:2階展示室・展示ケース。大型の展示ケースを柱間に合わせて制作。様々な展示が可能となるように4面ガラスとしています。 |
上:1階展示室・展示ケース。上図のケースを展示室中央部に設置するケース。レイアウト変更により様々な展示パターンが可能となります。 |
上:1階展示室・展示ケース。大型の展示ケースと、小型展示ケースの組み合わせ。 |
上左:1階展示室・展示ケース。 上右:1階展示室・展示ケース。 |
上左:1階展示室・展示ケース。 上右:1階展示室・展示ケース。 |
上左:外観。アプローチ。 上右:通路と吹抜。展示室前のエレベーターに至る通路。モニター・展示ケースを配置することで展示空間として利用しています。こちらも床の反射を抑えるためにタイルカーペットに変更しています。 |
上左:外構:アプローチ。外階段が経年変化で汚れが落ちなくなったため中央部分を張り替えました。その際来訪者のために階段の中央に手すりを設置しました。
上右:外構。階段を並行して設置されていたスロープにも手するを設置。入り口前のスペースを人口木材を使って拡張しました。 建築本体改修設計《建 築》:(株)馬場設計 《電 気》:手塚電気設計事務所 《機 械》:中込設備設計事務所 《展示設計》:(有)アルケドアティス 《工事監理》:(有)アルケドアティス 関連サイトリンク → 「釈迦堂遺跡博物館」 釈迦堂遺跡博物館公式サイト 「釈迦堂遺跡博物館」 甲州市役所公式サイト 施設情報 「釈迦堂遺跡博物館」 笛吹市役所公式サイト 美術館・博物館 「富士の国やまなし 釈迦堂遺跡博物館」 公益社団法人やまなし観光推進機構 |
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