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■「古民家再生住宅をつくるには」■ Alcedo Atthis Architect Text | ||
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「古民家を再生して住みたいが、幾らぐらい掛かるのか?」という問いに即答することは難しい。 再生には現地再生(建っている場所での再生)と移築再生(別の建設地へ運んで行う再生)があり、素材となる民家の種別(農家・蔵・商家)や大きさ、建物の傷み具合、立地条件も工事費を左右するからだ。目指す住まいのイメージがコストに影響するのは新築の場合も同じだが、古民家はさらに再生特有の費用が掛かると考えた方が良いだろう。この感覚は、クラシックカーのレストアを思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。 ただし、相手ははるかに大きな建物である。油断すると予算を幾ら用意しても充分とは言えなくなる。 では、どうしたら実現に結びつけられるのか? ここで資金の確保に励むことと同じぐらい重要なのが、建設計画(総工事資金計画)を立てることである。準備できる資金の目安と目指す再生民家の工事費が吊り合うように自分の求める住まいのイメージを調整する。 と言っても工事費のことなど見当が付かないかもしれない。例えば「坪80万円ぐらい」の示す内容も建物によってさまざまである。やはり建築家(設計事務所)に相談・依頼するのが手っ取り早いだろう。再生民家のどこに惹かれ、なぜ再生民家に住みたいのかを建築家に伝えながら、共にイメージを詰めて行く。「住まいのイメージ」と言うととかく膨らみがちだが、同時に工事費も膨らんでしまうので気をつけたい。むしろ「あれも欲しい、これも付けたい」という希望は可能な限り絞り込み、「こんなものは我が家には要らない、これだけでいい」に到達できれば実現は近い。 個性的な住まい造りを目指すなら、巷にあふれる商品情報などを冷静に分析する目も必要だ。 同時に民家バンクや不動産情報から素材となる古民家を探す。建築家に探して貰う手もある。適当な規模で傷み具合も少ないとなるとなかなか都合良くは手に入らない。情報を得たら建築家と一緒に現地を訪れ、専門家の目で再生が可能かどうか判断して貰おう。場合によっては何軒も見て回らねばならないこともあるので、現地同行の費用なども予め確認しておきたい。 古民家が決まったら建築主が譲渡(又は購入)の手続きを進める一方、建築家は実測調査を行なう。部材の寸法・形状を把握し、損傷程度を調べ、使える部材とそうでないものの「予測」を立てる。 「予測」となるのは、どうしても解体してみないとわからない部分が残るからである。この資料をもとに基本設計を始め、建築主の希望と予算の擦り合わせを行ない、建設計画を現実的且つ余裕あるものに固める。この段階で計画内容を大幅に見直さねばならないこともあるが、その際「こんな筈では」とならないためにも基本イメージをシンプルなものに洗練しておく方が良い(シンプルは柔軟性に繋がる)。 基本設計終了後、設計事務所は実施設計図を作成する。これは施工業者が見積りと実際の工事を行うためのものである。施工業者の選定にはさまざまな方法があるが、再生工事には向き不向きもあるので建築家に相談するのが簡単だろう。業者が見積りする間に設計事務所は確認申請などの法的な手続きを行う。工事請負金額確定後、施工業者と工事契約すれば着工である。あとは完成引渡しを待つだけだ。 民家の架構は単純明快で力強い。古ぼけて煤けた古材も再生工事を施すとその美しさは予想以上だ。構造の問題も、切り倒されて後数百年の間木材は強度を増してゆくといわれる。ほとんどの民家は魅力ある住まいとして生まれ変わる可能性を秘めているのである。民家再生に関心・魅力を感じる方は是非挑戦してもらいたい。 | ||
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