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■山中湖村平野地区公園「ゆいの広場ひらり」北工区■ 伝統的な工法で建てられた建築基準法制定以前の建物の解体修理並びに用途変更 計画敷地には2棟の建物が残されていました。 1棟は山中湖のある郡内地域特有の兜造りの民家であり、他の1棟は長屋門と呼ばれる中央部に屋敷内入り口の門を備えた2階建ての建物でした。 ともに住民退去後数十年を経たと思われ廃屋化していましたが、地域のコミュニティ施設として、敷地全体の公園計画も含めた「ゆい(結い)の広場」整備を行うことになりました。 私たちの事務所は文化財修復・古民家再生の経験を活かし、主屋並びに長屋門の基本設計の実現のための調査(構造材・造作材・建具の再使用可否の検討)並びに構造補強計画の立案・実施設計を担当しました。 基本計画・基本設計:株式会社 イー・エー・ユー 株式会社 文化財保存計画協会 実施設計・監理:株式会社 馬場設計 有限会社アルケドアティス |
上:主屋 耐震補強と用途変更 主要な架構体を残し建物全体のジャッキアップを行い、基礎を新設したのち、元に戻して補強のための壁や床を造り直している。 文化財修理に準じる修復レベルを実現するため、内部建具・造作材・板材などは可能な限り再使用している。また外部意匠の旧状を継承するため耐震壁は最小限とする必要があった。そのため限界体力計算法による安全確認を行っている。 |
上:主屋外観 修復時の屋根形状はカラー鉄板葺きの入母屋造りであった。以前は茅葺であったと思われるが、こちらの形になってからの時間も長く、既に景観の一部になっているとの考えから、現状のままとした。 屋根の構造体は解体せず、ゆがみ部分を補正しながら葺き替えを行った。 |
上:主屋南面と長屋門東面 左手のシンボルツリーの欅は改修以前から立っていたもの。 |
上:外観 入り口部分詳細。大戸は壊れていたものを修理して再使用。大戸右手の出窓は後補と思われるが建具とも修復した。 |
上:入り口部分正面。右手横羽目板張りの部分は板の梁型から判断して、後補の増築と思われる。 |
上:縁側正面。 既存の敷居を利用して夏は簀戸を建て込む。伝統的な住まい方の再発見。框下の蹴り込み板は旧状に倣い復元した。 |
上:東側外観。 右手部分は増築されており旧状は不明だった。痕跡調査を行い柱位置、軒先のおさまりなどを復元している。 |
上:北西部張り出し部分。 正面の格子・腰壁の簓子(ササラコ・板を抑える盾の細い木材)は古材を再使用。 |
上:主屋西面の様子。トイレの使い勝手の向上、広場への利便性の確保のため西側道路からのアプローチを設けている。 |
上:長屋門西面。 創建当初は平屋建てだったと思われる。増築を繰り返して2階建てとなっていた。痕跡調査を行い、修復範囲を確認している。 1階部分の傷みが大きいため全解体とし、部材修理を行って再建している。基準法上は新築となる。 |
上:長屋門北西。 1階部分の外壁は改修前のカラー鉄板葺きに合わせガルバリウム鋼板の一文字葺きで再現した |
上:長屋門南西面。 平屋部分は古い建物の軒先部分を取り込んだ増築だった。 同じような形で復原し、神輿の保管場所としている。道祖神・イチイの木を保存。 |
上:内観。現在の管理事務所として使われている。平屋で建てられた時代の軒先が残る。 |
上:内観。上り梁は既存のまま再使用し、梁の側面から開き留めの半割の梁で挟んでいる。板の間に照明器具を組み込んだ。 |
上:内観。ボランティアの詰め所として利用。ガラス障子は既存を修理して再使用。 |
上:内観 |
上:内観 |
上:主屋土間内観。竈は大津磨きで制作。板張りであっても火を使うことのできるようにガラスの垂れ壁で区画しているので現役で使用できる。 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:内観 |
上:外観 |
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